10今、時代は“eco(ecology)”です! 人や環境にやさしいものが積極的に取り入れられています。このことは、医療の世界も同じと考えます。超音波検査(通称eエコーcho)は、簡便かつ非侵襲的な検査法です。まさに“eco”の時代にマッチした検査法であるといえるでしょう。しかしその反面、客観性の欠如という最大の弱点のために、本来の機能を十分に理解されていないのが現状です。客観性の欠如には、超音波検査の一度に表示される範囲が少ないことをはじめとする諸因子がありますが、現代の驚くほど速い技術革新により、位置情報も含めた画像表示や診断補助などが可能になる時代がすぐにやってくるでしょう。超音波検査は、CT検査などと異なり生理機能検査に属するため、画像保存の義務が異なります。その結果、画像管理を含めた精度管理が遅れている検査になってしまっているといっても過言ではありません。このことは教育にも影響を及ぼしています。これを解決する良い方法があります。それは非専門の技師・医師であっても、どこを撮影しているかが分かるようにすることです。つまり多施設で基準断面を決め、それを遵守することで最も簡単で客観性の高い診断法になります。この方法では、被検者や検者の移動があっても、超音波画像の画像比較による経過観察が確実に可能となります。以前からの思想(腹部スクリーニング検査での、検査手順を決めた、25断面撮影法)を2014年末の自施設の病院移転を契機にしたシステム変更の際にとりいれたところ、検査施行時の基準断面の遵守で飛躍的に客観性が向上したことを実証しました。客観性のある超音波検査とは
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