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診断に御足労いただいて、お疲れさまです。まずは、○○さん。お体で調子の悪いところや、医者に相談したいことはありませんか?診療の着眼点①もの忘れ外来は、家族にとってはBPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia. 暴言・妄想などの認知症による行動・精神症状)に疲弊して頼る駆け込み寺であるが、患者ご本人は病識がないばかりか、受診を受容していない場合も多い。「嫌なのに無理やり連れてこられた」という背景を汲み取る必要がある。②病識のない患者の居心地が悪くないように、クリニックの景観には配慮がしてある(図2、3)。また、病院くさくならないように、「認知症」はもちろん、「脳神経外科」「神経内科」「精神科」という当たり前の看板もない。 次に、診察時の視点と意識について、順序を追って説明します。まずは身体の診察から私:では、まずは、手足の状態から診ていきましょう。利き手はどちらでしょうか?診療の着眼点①認知症の診療でも、その順序として身体的な診察から始めていただきたい。いきなり、記憶のチェックや長谷川式簡易認知機能評価スケール(HDS-R)を行うのは禁忌である。まずは、麻痺やパーキンソニズム・小脳失調などを察知する。他の脳神経疾患に対するのと同様に、脳神経機能、筋力や固縮・反射を診る。自然なボディタッチによって、徐々に患者さんとの間合いを詰めて、親近感を構築する。②「利き手」を聞くのは、優位半球を推測するほかに、失語症を察知する目的図2:外観図3:待合室第1章「もの忘れ外来」の現場から初診時のチェックポイントと問診の工夫12
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