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患者さんを診察する前に 猛暑の日。診察室にて。図1は、ドアから診察室に入ってくる患者さんの視界です。奥の黒いすが私のいすです。手前の黒いすが患者さん専用のもの。白いソファはご家族用のつもりです。私の外来では3~4人の家族が同伴することも多いため、長いソファを設置しています。しかしここに、患者さんが家族と並んで腰かけてしまうことも多いのです……。 以下、医師から患者さんへの声かけや質問に沿って、日常臨床上の視点を説明します。入室時私:どうぞ、〇〇さん。お部屋にお入りください。ご自由に、お好みのお席にお掛けください。診療の着眼点①患者の入室から着席するまでの仕草を観察するだけで、歩行状態、視空間認知機能、そして病識の有無について、かなりの情報が得られる。②同じよちよち歩きでも、特発性正常圧水頭症(idiopathic normal pressure hydorocephalus:iNPH)は、脚幅はやや広くペッタンペッタンの磁石歩行となり、レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies:DLB)*①に起因するパーキンソニズムでは脚幅が狭いすり足となる。初診時のチェックポイントと問診の工夫図1:診察室第1章「もの忘れ外来」の現場から初診時のチェックポイントと問診の工夫10

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