T600081
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9第章1状況評価だからといって,手をこまねいているわけにはいかない. 唯一とれる行動は,周囲の人が負傷しないように,警告を発することである.念頭に置いてほしいのは,垂れ下がってつまずいてしまいそうなくらいに地面を這っている送電線が,必ずしも送電が遮断されているとは限らないということである.事故現場に到着したら必ず頭上を見上げること.垂れ下がっている送電線を探すこと.しかし,特に夜間は見えにくい.車両が電柱に衝突している場合には,柱上の変圧器が落下しやすくなっていることもある.また,電柱が衝撃で折れている場合には,電柱そのものがぐらついていることもある(図1-3). また最近は,送電線が地下に埋設されている場合もあり,地上設置型変圧器が普及してきている(図1-4).車両が変圧器をなぎ倒し,そのうえで動かなくなっていても,電流は止まっていない場合がある.このような状況では自動的にブレーカーが働き,電流が遮断されるのではないかと思われるが,確実なところはわからない.状況評価を行うときには,車両の下も調べてみること. 車両が変圧器の上で動かなくなっている場合には,絶対にその車両に触れてはならない. この状況に対処する装備が整っていなければ,速やかに電力会社に連絡すること.図1-3 状況評価を行うときには,頭上や足元,車両などの下側も忘れずに調べる.図1-4 さまざまな危険となりうる設備が隠されている.
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