T600081
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10燃料漏れ 車両が瓦礫やガードレールに乗り上げていたら,燃料系統が破損している可能性が十分にある.どのような種類の燃料であれ,漏れている可能性がある場合は,火器を使用してはならない. 大きさに関係なく,もし燃料タンクに破損があれば,救助者が傷病者に接触する前に燃料が漏れていることを発見すべきである.状況評価をする際には,ガソリンやディーゼル燃料の溜まりがないかを探してみる必要がある. 燃料の漏れが少なければ,切れ目や穴に粘土などを詰め込んで漏れを止めることができる(図1-5).最近の燃料タンクは金属以外の物質でできていることが多く,通常の粘土などで穴を塞いでも有効でない場合がある. 車両はガソリン以外の燃料を動力源にしている場合があることに留意する.プロパンガスや圧縮天然ガス,アルコール,電気で動く車両の場合には,従来のガソリンやディーゼル燃料で動く車両とは異なる燃料漏れの特徴がある. 燃料ラインが引き抜けていたら,ゴルフのティーやそれに似たような物を可能であればゴム管に押し込むようにする(図1-6,図1-7).キーがまだ入ったままである場合,配管が破損していれば電気燃料ポンプからは燃料が流れつづける可能性があることを忘れてはならない.たとえ燃料漏れを止めることができないとしても,「燃料漏れ」があることをすべての隊員が十分に認識することであり,また可能な限り安全な手段を講じることである.図1-5 燃料漏れは粘着性のシーラントを使えば容易に止めることができる.図1-6,図1-7 燃料経路からの燃料漏れは,一般的なゴルフのティーで止めることができる.
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