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Chapter 1131章2 EEEEEEEEEガイドラインや教科書の情報はとても大事。加えて、チームの慣習やローカルルールもとても大事。そして、患者・家族の思いはもっと大事 ICU内にいる患者の診療において、必要とされる知識、技術、態度は非常に多岐にわたる。特に研修医や若い医師は、その膨大さに圧倒されていることだろう。そのため、上級医や経験のある医師の発言や方針を鵜呑みにしがちである。 でも考えてほしい。 その膨大な量の事象を、上級医が常にカバーできているのだろうか。また、絶えず変化し続ける医療の世界を、上級医はすべてアップデートし続けられるのであろうか。 そんなことはできっこない。 なので、研修医や若い医師には重大な任務がある。自分の目の前の患者や家族が直面している困難に対して、自分なりの回答をちゃんと作り出すのである。その過程で、病態生理を把握し、エビデンスを探し、世界のコンセンサスを知ることができる。そしてそれを、上級医を含む他の医師や、他の職種のスタッフ、そして患者や家族と共有する。そのことにより、自分自身だけでなく、周りのみんなやチームそのものの成長に寄与することができるのである。 一方、「教科書に書いてある」「ガイドラインに記載がある」「質の高い研究の結果を見た」という理由だけで、物事を推し進めることはできない。医療はチームで提供される。そして、それぞれのチームには歴史や慣習がある。そこはちゃんと理解しておく必要がある。

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