POCの基礎知識・基本走査113音響インピーダンス 音響インピーダンスとは、「媒質の密度×媒質の音速」で求められる数値です。表にあるように、空気の音響インピーダンスは0.0004です。それに比べると、水や血液、肝臓、筋肉はまったく数値が違います。また、水、血液、肝臓、筋肉はだいたい同じ数値です。さらに骨を見てみると、またまったく数値が違います。反射 超音波の画像は音波の反射によってつくられています。そして、反射は音響インピーダンスの「違いの大きさ」によって生まれます。音響インピーダンスの数値の違いが大きければ大きいほど、反射も大きくなるのです。 要するに、生体に入った超音波が肺の表面で反射するのは、肺の中に空気がいっぱいあるからであり、生体を構成する筋肉や血液などと、肺の中にある空気の音響インピーダンスの違いが大きいからです。一方、生体を通った超音波は、今度、骨の表面で反射します。これは、生体と骨の音響インピーダンスの違いが大きいからです。 超音波やその反射について、超音波は「空気を通らない」「骨を通らない」という説明がされることがあります。でも正確には、音響インピーダンスの違いが大きく、その結果として反射が起こると言うべきなのです。音響インピーダンスの違いが大きく、その結果として反音響インピーダンスの違いが大きく、その結果として反射が起こると言うべきなのです。SLIDE 4音響インピーダンスと反射音響インピーダンス=媒質の密度×媒質の音速反射と透過は音響インピーダンスの違いの大きさで決まる空気0.0004 Pa s/m水1.52血液1.62肝臓1.65筋肉1.66骨4~8程度
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