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序 文3 Point-of-Care超音波の普及を目的に、POC超音波研究会が発足し、2016年2月に第1回研究会が東京で開催されました。その第6回研究会(2019年1月開催)において、General POCUS 1-dayセミナーを企画、開催いたしました。これは、「1日で全身が見えるようになる!」をサブテーマに、全身の主要臓器をエコーで見ることができるようになることを目的としたレクチャーとライブスキャンを交えた教育企画でした。本書は、スライドの解説とweb動画でそのレクチャーを再現しております。 外来診療、救急医療、在宅診療などで行うPOCUSに、領域別や臓器別という区別はありません。いずれの診療科であっても、日常臨床でエコーを活用できれば診断力がかなり向上します。セミナータイトルの“General POCUS”というのは私(山田)の造語で、エコーをするなら心臓だけ、腹だけ、というのではなくて、同じ装置を使うわけだし、ちょっとずつでもいいから全身を見られるようになったらいい、という思いを込めました。エコー検査は自分でプローブを走査して、診断に必要な画像を描出しなければならないため、どの領域でもある程度のトレーニングが必要です。本書は、これから医師として診療を始める研修医、救急外来や当直診療で自信をもってエコーが使えるようになりたい先生、勤務医時代は技師に任せていたエコー検査をこれからは自分でやらないといけないという先生など、これからエコーを活用したい、と思っている医師に最適の教材になるでしょう。 本書で基本を身につけて、実際の診療でエコーを使ってみてください。使い始めると、教科書に書いてあるようにはうまくいかなかったり、何が見えているかわからなかったり、いろいろ疑問が生じると思います。そのもやもやは、毎年2回開催されているPOC超音波研究会に参加して、プロフェッショナルな先生方の話を聞いて解決してください。本書の著者も多く参加されています。 本書によって、読者の先生方の日常臨床でのエコー検査の活用が拡がり、ひいてはPoint-of-Care超音波の普及に貢献できることを期待しています。令和元年6月吉日POC超音波研究会代表世話人自治医科大学臨床検査医学教授谷口信行第6回POC超音波研究会当番世話人徳島大学大学院医歯薬学研究部地域循環器内科学特任教授山田博胤

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