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CPRを用いるときに知っておきたい診断学の基礎知識~ベイズの定理を中心に~CPRから得られる尤度比(オッズ比)をかけることにより、CPRを適用した後の確からしさ(事後オッズ)が得られます。その結果をもとに、臨床的な意思決定を行っていくわけです。 ではまず、オッズと確率は何が違うのでしょうか。 オッズと確率はほぼ同じものを指していますが、分母が異なります。確率が[事象の数/全体]であるのに対し、オッズは[事象あり/事象なし]と表されます。当然確率が高いとオッズも高くなります。確率が20%ということは、全体が100あったらある事象が20あるということになります。一方で、事象がない数は80なので、オッズは0.25(=20/80)になります。 CPRが陽性のときは陽性尤度比を使い、CPRが陰性のときは陰性尤度比を使います。尤度比が記載されているCPRでは、事前オッズに尤度比をかけて事後オッズを出し、それを確率に直すことによって事後の見積もりがどの程度になったかを知ることができます。確率とオッズは表1-2のように換算されます。 尤度比が記載されていないときは多くの場合、感度と特異度が記載されています。そこで次に、感度・特異度とは何かを説明します。表1-1 本書で取り上げたCPR診断の確定診断の除外予後の見積もりAlvarado scoreCentor scoreMcIsaac scorePediatric appendicitis scoreqSOFAADD risk scoreDiehr ruleEMERALD SAH ruleGeneva scoreGlasgow-Blatchford scoreHeckerling scoreHINTS 法LRINEC scoreOttawa SAH ruleSTONE scoreWells criteriaABC scoreACSD scoreA-DROPBoston Syncope RuleCSRSEGSYS scoreGRACE risk scoreHEART scoreIDSA/ATS 2007modified TIMI risk scoreOttawa ECG CriteriaSan Francisco Syncope RuleSMART-COPTASH scoreTIMI risk scoreThe ROSE11Emer-Log 別冊11

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