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8神病薬(統合失調症の薬)をやめただけで元気になる方もいました。また、「これは老衰とみるのが適切であろう」という方に関して、家族の納得を得られずに時に過剰とも思える検査や治療を行うようなこともありました。「老衰って難しいな、そもそも老衰について教えてもらったことはないし、どのように診断していったり、ケアしたりしていくことがよいのであろう」という疑問を持つようになりました。老衰について調べてみたそのような疑問を持ち、老衰について文献などを調べてみましたが、あまり臨床的に役立つようなものはなかなか見当たりませんでした。「それであれば、自分で研究してみよう」と思い、当時社会人大学院生として在籍していた順天堂大学公衆衛生学教室の丸井英二教授に相談したところ、まずは、統計学的な観点から捉えてみてはどうだろうとアドバイスを受けました。確かに、老衰死が増えているのか、減っているのか、今後どうなっていくのか、地域差はあるのかなどをまとめた論文はありませんでした。そこで2011年と2012年に、統計学的な観点から調べた論文を2本書きました。これは臨床的に老衰を考察する前段階として、医療全体や社会的な観点から老衰を考える非常によいきっかけとなりました。その後、実際に老衰について臨床的な観点から、研究を行うことができました。先ほど述べた「老衰をどのように診断していけばよいのか」という疑問を考えるうえで、参考になるような資料になりえるのかなと思っています。このあたりのことは、第1章や第2章でお伝えしていきたいと思います。

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