01左主幹部カテーテル治療のポイント左主幹部カテーテル治療のポイント左主幹部カテーテル治療のポイント治療時の注意点治療時の注意点治療時の注意点慢性期を見据えて慢性期を見据えて慢性期を見据えて治療時の安全性を確保しながら行う慢性期を見据えた治療法を選択する左主幹部(LMT)病変治療中の虚血側枝閉塞ガイドカテーテル挿入時の血管損傷複雑ステント手技を避ける治療結果を造影とIVUSなど複数の方法で確認し、見落としをなくす抗血小板薬が服用できなくなる可能性も考えておくLMT:left main trunk,PCI:precutaneous coronary intervention,PTCA:balloon angioplasty,DCA:directional coronary atherectomy,DES:drug eluting stent中村 茂 みなさん、こんにちは。京都桂病院の中村です。 今日はLMT病変の治療をお見せします。みなさんは、LMT病変へのPCIについて、どのように考えていますか? 1980年代のPTCAの時代、左主幹部のPTCAは解離が形成されると急性冠閉塞をきたし死亡に至る可能性があり、禁忌でした。1990年代、DCAの登場により、解離を生じさせないでプラークを切除する治療は、一部の専門施設で行われていました。ただしLMTの再狭窄でも死亡することがあり、丁寧なフォローが必要でした。 1993年、ステントの登場によりLMTの急性心筋梗塞の治療など、緊急回避に絶大な効果を示すようになりましたが、当時はステント血栓症の頻度が高く、待機的にLMTにステントを植え込むことは一般的ではありませんでした。 現在では、ステント治療の経験数の上昇および、DESの治療成績が向上し、バイパスとの比較試験では、再治療率は高いが生命予後に差はないと報告されています。LMTのPCIは一般的に行われるようになっていますが、論文の解析結果は平均値の判定であり、われわれが実際に治療する場合は、成功か失敗かの2つのみです。よって、術者は十分な注意を払い治療成功を獲得する必要があります。8
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