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12お年寄りまで、一般住民が家庭で血圧を測ることが本研究により当たり前になりました。その結果、過疎化の進む山間部の町にもかかわらず、脳卒中や死亡が周辺の市町村よりも減少4)したのです。これは、減塩や降圧薬投与などの介入を伴うものではなく、一般住民に「血圧を測る」という意識を高めさせたことによる結果であり、脳卒中・循環器疾患対策基本法の効果を上げるためにも、JSH2019に新しく設けられた第14章「高血圧管理の向上に向けた取り組みと今後の展望」を考えるうえでも、非常に貴重なデータであると考えられます。家庭血圧測定は重要 前回のJSH2014から、高血圧の診断と治療に家庭血圧を用いることが明記されました。さらに今回のJSH20191)では、CQ(クリニカルクエスチョン)1「成人の本態性高血圧患者において、家庭血圧を指標とした降圧治療は、診察室血圧を指標とした治療に比べ推奨できるか?」において、メタ解析の結果、推奨の強さ「1」、エビデンスの強さ「B」で、日常診療には家庭血圧のデータを優先して使用することが推奨されています。CQ2では、白衣高血圧患者に対しても注意深い観察が必要であることが明記されています。ここでは、仮面高血圧は高血圧として、白衣高血圧はハイリスク対象者として理解し、慎重なフォローと積極的な介入が求められています。 以上の内容をまとめると、診療の現場ではなく、普段からの血圧測定を習慣づけることが重要で、その測定結果を日常診療できちんと把握し、サポートするという心構えが大切ということになります。表1に成人における血圧値の分類を示します。高値血圧までは「診察室血圧−家庭血圧=5mmHg」の法則が成り立ちますが、Ⅰ度高血圧より下段では、重症度が増すごとに差が大きくなることから、家庭血圧で重症度を過小評価しないように気をつける必要があります。

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