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1 高血圧第1章13血圧測定の方法 JSH2019には、家庭血圧測定を行うタイミングについて「起床後1時間以内、服薬前、排尿後」、測定時の姿勢は「坐位(背もたれつきの椅子に座って)、測る腕は心臓の高さ、1〜2分間坐位で安静後に原則2回測定し、その平均値を記録する」と記載されています。しかし、実際にこの通りに実施している患者は少ないと推察されます。筆者は、朝食を食べ始める前に食卓で血圧を測定することを勧めています。その理由は、ほとんどの方は起床後1時間以内に朝食を摂るので、細かな指導なしでも上記の条件をほぼクリアするからです。なぜ、起床後すぐではなくて朝食前を勧めるかというと、寒冷時に「起床後」を推奨すると、布団から飛び起きて、血圧計を巻いてただちに測定してしまうからです。この場合、排尿や坐位、静かで適当な環境、などの条件に合致せず、上振れする危険性が高く、データも安定しないことが多くなります。朝食時には部屋も暖まっていることが多く、食事をするときには排尿も済んでおり、一呼吸おいたリラックスした状態での測定が可能で、再現性も高いと考えます。大切なことは、測った血圧値は「すべて記録しておく」ように指導することです。ただ単に血圧手帳を渡すだけだと、医師の気に入る血圧値が出るまで血圧計のボタンを押し続ける患者が多く、血圧手表1成人における血圧値の分類(文献1 p.18より引用)分類診察室血圧(mmHg)家庭血圧(mmHg)収縮期血圧拡張期血圧収縮期血圧拡張期血圧正常血圧<120かつ<80<115かつ<75正常高値血圧120〜129かつ<80115〜124かつ<75高値血圧130〜139かつ/または80〜89125〜134かつ/または75〜84Ⅰ度高血圧140〜159かつ/または90〜99135〜144かつ/または85〜89Ⅱ度高血圧160〜179かつ/または100〜109145〜159かつ/または90〜99Ⅲ度高血圧≧180かつ/または≧110≧160かつ/または≧100(孤立性)収縮期高血圧≧140かつ<90≧135かつ<85

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