402280430
9/12

1 高血圧第1章11存率が6割を超えるところまでイメージを変えた大きな要因は、「がん対策基本法」が10年以上前の2006年に成立し、さまざまな対策が取られてきたからです。今後は、行政と医療サイドが一体となって、各診療圏のなかで、循環器疾患・脳卒中を予防するための具体的な取り組みが医療計画のなかに盛り込まれることとなるでしょう。この担い手は、大病院や大学の医師ではなく、一般開業医、とくに循環器開業医が率先して務めるべきであり、心不全パンデミックへの対応を考えるうえでも重要な課題となります。血圧を測る意識を高めた「大迫研究」 筆者の手元に、東北大学名誉教授の今井 潤先生から御恵送いただいた貴重な1枚のスライドがあります。現在でこそ、家庭血圧を患者が測定し、データを記録した血圧手帳を外来へ持参するというのはありふれた光景となっています。このような家庭血圧測定の意義を世界に知らしめ、WHOの家庭血圧基準の根拠にもなったのが、今井先生らのグループが30年以上前から岩手県の大迫町で実施している「大迫研究」です。大迫町では、子どもから図健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法(平成30年12月14日法律第百五号)(文献3より引用) 背景  脳卒中、心臓病その他の循環器病が国民の疾病による死亡の原因及び国民が介護を要する状態となる原因の主要なものとなっている等循環器病が国民の生命及び健康にとって重大な問題となっており、国民の健康寿命の延伸等を図り、あわせて医療及び介護に係る負担の軽減に資するため、循環器病対策を総合的かつ計画的に推進する必要があること。 内容  循環器病対策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体、医療保険者、国民及び保健、医療又は福祉の業務に従事する者の責務を明らかにし、並びに循環器病対策の推進に関する計画の策定について定めるとともに、循環器病対策の基本となる事項を定めることにより、循環器病対策を総合的かつ計画的に推進しようとするもの。

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る