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の値が0に近い情報を使います。例えば、肺塞栓症を除外したい場合のD-dimerです。逆に確定診断には、診断確率を高いほうへ動かす特異度が高い(偽陽性の少ない)、陽性尤度比(LR+)の値が高い情報を使います。肺塞栓症を疑ったときの造影CTですね。 急性の胸痛だったら、5 killer chest painsを鑑別できる造影CTをとりあえず行っておけばいい、というような安易な考えではなく、想起した鑑別疾患を除外、あるいは確定診断するにはどのような検査が必要かを考えることが重要です。病歴と身体所見から疾患を想起して検査を行います。検査は答え合わせとして行うものです。答え合わせがおかしいときは、何かを見逃している可能性が高いです。 際立ったひとつの情報にこだわりすぎると、うまくいかないことがあります。そのときには、典型的な疾患の全体像と照らし合わせて、今、目の前にいる患者の病状が、その疾患らしいのか、またはらしくないのかという判断が重要となります。もっとも、その疾患らしいのであればmost likely diagnosisとしてその疾患を確定する検査、とくに循環器領域であれば、画像診断等で追求していけば効率よく診断できます。疾患「らしさ」と「らしくなさ」Chapter 014表症状のOPQRSTOnset発症様式Provocation / Palliative増悪/緩解因子Quality / Quantity性質と程度Region / Radiation部位・放散associated Symptom随伴症状Timing / Time course時間経過

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