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ERでみる循環器疾患:臨床診断の考え方西宮渡辺心臓脳・血管センター 病院長 民田浩一 ER診療においては、鑑別診断を考え始める前に、まずは緊急性を評価するようにしてください。バイタルサインの異常や意識レベルの低下、一見してシックな感じや重症感はないか、そこを押さえてから診断を考えていくようにしましょう。 時間に余裕があると判断したら、今度はcriticalな(見逃してはいけない:必ず除外診断しないといけない)疾患とcommonな(頻度の高い)疾患に分けて考えていきましょう。とくに救急の現場で出あう心臓・血管系(脳も含む)の疾患は、criticalかつcommonな疾患である頻度が高いので、必ず押さえておくべきものが多いです。 Criticalな疾患とcommonな疾患を分けて想起することが重要ですが、とくに救急の場では、criticalかつcommonな疾患を確実に診断あるいは除外診断して、その後、頻度が低くてもcriticalな疾患を除外診断していく姿勢が望ましいです。 例えば、胸痛(とくに急性・突発性発症)の思考フレームは図のような感じになります。Criticalな疾患は常に念頭に置いて、見逃さないよう普段から心掛けておくと不安が少なく安心して診療を進めていくことができます。常日頃からその癖をつけておくと思考回路が定着し、地雷を避けることができるようになります。そしてすぐに確定診断に至criticalとcommonから考える12Chapter 0

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