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2 心臓は言うまでもなく「動いている臓器」です.動いているからこそ面白い.そしてこの“動いている”臓器の評価に最も適しているのが,心エコー図検査です.心エコー図検査では,形態異常のみならず,ドプラを用いて血流や血行動態を評価することが可能です.しかしだからこそ,「考えて検査すること」が重要になってきます.考えて検査するからこそ見えてくるもの,わかってくる病態があるのです. 「最近の若い人は……」と言うと,年寄りの常套句であり,自分自身を“若い人”だといまだに思っている私としてはあまり言いたくはないが,敢えて言うと,最近の若い人は,教科書に書いていることを覚えたり,マニュアルを作ったりするのは得意なように思えます.しかし一方で,その臨床的な意義づけやその裏にあるピットフォールを必ずしも考えているとは思えません.今後自分でさまざまな患者さんに対応していくには,教科書の丸暗記ではなく,いろんな方向から,自分で「考えること」が重要だと思います. その考える題材として,心エコー図検査は最適です.循環器を専攻しない人でも,自分の患者さんが息切れを訴えられたり,聴診すると心雑音が聴取はじめに

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