T530360
3/14

 循環器病学の進歩は華々しく、検査、重症度基準、ガイドライン、治療法などは日進月歩で変わっていく。これらにかかわる用語・略語・数値もまた変化していくため、専門医であってもすべてを記憶することはできないのが実状である。 心血管エコーは循環器病の診断および病態の評価において、重要な役割を担っており、レポート所見はその要となる。しかしながら、重症度の基準値、ガイドラインでの分類、用語、略語など、レポートの作成にはさまざまな知識を必要とし、まれな疾患や発見者の名前を冠した疾患など、正確な漢字や英語のスペルを記載することは容易なことではない。さらに、限られた時間で心血管エコーのレポートを作成するためには、インターネットを利用してもこれらの情報を探し出すことは困難な場合が少なくない。 本書は、このような現状を鑑み、循環器病の用語・略語・数値に焦点をあて、心血管エコーのレポート作成に役立つことを一番の目的とした。また、略語の理解に苦しむ循環器病棟の看護師をはじめとするメディカルスタッフや研修医およびレジデントにも参考になるよう配慮した。 心血管エコーのレポート作成はもとより、カルテ記録の際に本書をそばに置き、仕事が少しでも迅速かつ円滑になれば、著者一同、望外の喜びである。2017年5月御幸病院LTAC心不全センター 院長兼センター長西上和宏序

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る