T530410
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2ギモンレベル01ギモンB(Brightness)モードと呼ばれる超音波断層法は、振動子から発射されるパルス信号により画像化されますが、1フレームの画像の解像度(分解能)は、深度方向と横方向で異なることを知っておく必要があります。深度方向の画像解像度は、距離分解能により規定されます。距離分解能とは、深度方向(超音波ビーム方向)に並んだ2点を識別する能力のことで、パルス幅が狭いほど距離分解能が高くなります。パルス幅は波数と波長を乗じたものであり、プローブ周波数と波数で決まります。よって、波数が少ないほどパルス幅は狭くなります。波数を少なくするのは装置の性能に起因します。一方、横方向の画像解像度は、方位分解能により規定されます。方位分解能とは横方向(超音波ビーム方向と直角方向)に並んだ2点を識別する能力のことで、これには超音波ビーム幅(走査線密度)により規定され、超音波ビーム幅が狭いほど方位分解能が高くなります。超音波ビーム幅は、超音波ビームを発射する開口幅が広く、プローブ周波数が高いほど収束し狭くなります。さらに、1フレームの画像を構築する際、単位時間あたりの超音波ビーム数が多いほうが方位分解能の高い画像が得られますが、時間分解能(フレームレート)が低下するため、超音波ビーム数を増やすのには限界があります。このように、距離分解能と方位分解能には原理的に大きく異なり、距離分解能(深度方向)に比べ方位分解能(横方向)の精度は劣ります。したがって、心尖部アプローチからの左室長軸断面で計測する左室径は、画面上では横方向の計測となり、画面上で縦方向に計測される傍Bモードの画像解像度は深度方向と横方向で異なる傍胸骨左縁長軸像で計測したLV径と心尖部長軸像で計測したLV径では、心尖部長軸像で計測したLV径のほうが小さくなるように思います。本当でしょうか? 本当だとすればどうしてですか?

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