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3心機能・計測・心不全1章胸骨左縁アプローチによる左室長軸断面に比べると不正確となります。傍胸骨左縁アプローチに比べ心尖部アプローチによる左室径計測値が小さくなる傾向がある理由は、下記の2つが考えられます。その1つは、本来計測すべき左室内径は緻密筋層間の距離ですが、緻密筋層と肉柱や仮性腱索などの境界が心尖部アプローチでは不鮮明となり、より内側を計測してしまうこと。もう1つは、心筋線維は心内膜側ではほぼ縦走しているため、傍胸骨左縁アプローチでは心腔内の内膜境界が明瞭に反射して認識できるのに対し、心尖部アプローチでは心筋線維走行と超音波ビームが平行となり、心腔の内膜境界が不明瞭となることが理由であると思われます。断層法による心腔の距離計測は、エコー像の輪郭の内側と内側傍胸骨左縁アプローチより心尖部アプローチによる左室径計測値が小さいのはなぜか?ba送受信部遅延回路遅延時間振動子開口幅合成波面aのビーム幅bのビーム幅送受信部合成波面図1 送受信開口幅と超音波ビーム幅の模式図振動子の遅延回路により、合成波面を形成し超音波ビームを送受信している。a:隣り合う振動子群が真っ直ぐ超音波ビームを送受信している。開口幅=ビーム幅b: 左右の送受信時間を大きく変えることで、超音波ビームを偏向させ斜めに送受信している。 開口幅>ビーム幅開口幅がa>bとなるため、aよりも焦点が絞れず受信感度が低下する。
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