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6角度が1°ずれているだけで、最大血流速度として3%の誤差が生じることになります。最大の盲点は、ドプラ入射角度の角度補正が1°ずれているか否かは、目視で判断できないという点にあります。角度補正値が大きくなればなるほど、見えない誤差が増し、60°を越えたところで急激に大きな誤差となることからうかがえるように、ドプラ入射角度補正は可能な限り小さくすることが大切です。さらに、図2-2bは角度補正を行う際、実際の角度補正値よりもドプラ入射角度が5°ずれていた場合の速度換算誤差率です。ドプラ入射角度の角度補正値を60°に設定しドプラ計測を行った場合、ドプラ入射角度が5°ずれていると誤差は15%となります。描出不良例で血流方向が明確でない場合では、このドプラ入射角度5°のずれも認識できない可能性があり、角度補正値が大きくなる場合には注意が必要です。心臓は立体的であり、心腔内を流れる血流も3次元的に流れています。このため、2次元断層像で血流と角度を正確に補正することは困難です。したがって、心エコーでは角度補正を行わず、異なるアプローチを試みて複数の断面から超音波ビームと血流方向が平行となる断面を描出しドプラ計測を行うことが求められます。超音波ビームと血流角度補正を用いず、アプローチを工夫8070605040302010(˚)角度に対する速度換算誤差角度に対する速度換算誤差補正角度補正角度(%)(%)201816141210864200102030405060708090(˚)5040302010a:角度補正が1°ずれていた場合の誤差b:角度補正が5°ずれていた場合の誤差図2-2 ドプラ入射角度の角度補正誤差

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