202)左室壁計測部では、1回目はなぜ均等肥大としてしまったのでしょうか? 技師Bさん。1回目では、後壁の描出が不良で実際の壁厚より厚いと思ったのかもしれません。そして、高血圧があることから全周性の肥厚と誤認してしまったのだと思います。そうですね。高血圧、高血圧と思っていたから、おそらく後壁部分の描出不良の辺りを壁厚と判断したのかもしれませんね(図4-①)。別の画像で確認すると(図4-②)、中隔部の壁厚と後壁の壁厚が異なることがわかります。日常検査の中で描出不良例は決して少なくないので、検査の目的が高血圧という情報のみではなく、事前に他の検査の所見(前述)を総合的に判断して、検査に臨む必要がありましたね。医師技師B医師②①16.7mm中隔の切れ込み内に血流シグナルを認めるこの部分は肉柱の可能性が高い図32回目の傍胸骨長軸像(LAX)中隔計測部に肉柱が存在して中隔計測部を誤った。②①後壁部が描出不良であったが、高血圧による肥大と考えており、壁厚を厚く見てしまった別の画像で見てみると、後壁と中隔の壁厚が異なることがわかる図41回目の短軸断層像(SAX)後壁部の描出が不良で壁厚計測部を誤った。
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