主訴:酸素化不良現病歴:二次施設であるA病院産科で、在胎41週2日に分娩誘発にて出生しました。男児、出生体重は2,794g、Apgarスコアは8点(1分)、8点(5分)で、羊水混濁を認めました。 いったん母子同室となりましたが、生後4時間で全身チアノーゼに気づかれました。SpO2 60%のためA病院小児科医が気管挿管を施行しました。気管からは胎便は吸引されませんでしたが、胎便吸引症候群(MAS)が疑われたため肺サーファクタントを3バイアル投与し、A病院NICUに入室しました。NICU入室時のSpO2:右上肢90%台前半、下肢は右上肢−2〜3%くらい心臓超音波検査:左室は小さめ、三尖弁逆流(TR)、動脈管は右左シャント主訴と現病歴呼吸障害と肺高血圧肺うっ血があれば鑑別に挙げるのは?この段階では、チアノーゼあり、呼吸障害あり、SpO2上下肢差は少し、動脈管での右左シャントが主な所見だね。この段階でほかに考えられる疾患はないかな?動脈管が右左シャントということは、肺高血圧の状態ということですね。気管から胎便は引けていないけれど、羊水混濁を認めたようですし、MAS+新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)という診断でしょうか。ほかの疾患ですか? 確かにMAS以外でもPPHNを来す疾患はいくつかありますが……。Case●12
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