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2 「新生児内分泌」という用語の歴史は極めて浅い。手前味噌になるが、2007年に新生児内分泌研究会が発足したのが、契機ではないだろうか? 小児内分泌学は長い歴史を有しているが、その対象は主として正期産出生の新生児以降である。ところが、われわれ新生児科医が日常的に扱う早産児、とりわけ超早産児は正期産児とは異なる特性を持った集団であり、多くの小児内分泌科医にとって未知の存在である。 超早産児の救命は、呼吸・循環管理が最も重要であることに疑いはないが、その管理が向上してきた現在、よりよいQuality of Lifeの獲得には「内分泌管理の適正化も重要ではないか?」との考えが生じてきた。しかし、この分野はあまりに未開拓であり、逆に言うと極めて魅力的な未知の領域でもあった。時期を同じくして、晩期循環不全・早産児一過性低サイロキシン血症など早産児特有の病態に、内分泌学的な理解が重要であるとの認識が広まり、わが国におけるこの分野の議論が活発化した。 加えて、Developmental Origins of Health and Diseases(DOHaD)理論が広く認知されるようになり 1)、子宮内あるいは出生後早期の栄養・成長が生涯の健康を左右する可能性が注目されるようになったことや、SGA(small for gestational age)性低身長症に対する成長ホルモン療法 2)が保険収載されたことも、新生児期の内分泌への注目を集める呼び水となった。わが国における「新生児内分泌学」の歩みポイント 胎児・早産児の内分泌機能は、その成長・発達に重要な役割を果たしており、「生理」を理解することが、よりよい早産児・新生児管理に直結する。一方、晩期循環不全・早産児一過性低サイロキシン血症・早産児代謝性骨疾患(早産児骨減少症)などの早産児の内分泌学的問題を理解するには、胎児期の内分泌系の発達・小児内分泌に関する知識が欠かせない。本項では、新生児内分泌が関わる病態について紹介する。それぞれの詳細については、各論をご覧いただきたい。胎児期の内分泌系の発達からみた 「新生児内分泌」の重要性1

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