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111第  部おさえておきたい乳児健診の基本乳児健診を始める前に1きなり「お名前は?」というのでは尋問のようになってしまい、母親も萎縮してしまうかもしれません。もちろん、自分のスタイルで構いませんが、健診44は、  ● 口の両端(口角)を上げた“笑顔で”  ● “明るく”  ● “よく通る声で”  ● “ゆっくりと”  ● “滑舌よく”話すのが基本です。 この本には、母親の笑顔を引き出す“魔法の一言”を散りばめています。同じやるなら笑顔で楽しみましょう! そうは言っても楽しんでばかりはいられません。見落としなく児の全身状態をチェックするために、自分の健診スタイルを作ることも大切です。 保健センターでの健診のように対象が4カ月とか1歳6カ月とか決まっている場合は、同じ確認の繰り返しですが、1カ月から1歳6カ月まで、さまざまな月齢の赤ちゃんを対象とした健診では、表 -1に記載した各キーエイジのメルクマールをベースに自分の基本スタイルを作っておくとよいでしょう。例えば、まず心音、呼吸音を聴いて、そして腹部所見をとり、それから頭~つま先まで全身チェックを行う、などの順番を決めておくのです。もちろん、赤ちゃんの機嫌によって多少変える必要はあります。 この本では、各月齢の項目の最後にチェックリストをつけておきました。 「健診で絶対に見落としてはいけない所見」は各月齢ごとにありますが、大きく以下の4つのランクに分けられます。 A:命に関わるもの B:機能獲得に影響を及ぼすもの C:治りにくくなるもの D:その他確認しておきたいこと 「A」は主に腫瘍性疾患や心疾患、「B」は視力や聴力、男児の停留精巣に関わるもの、「C」は皮膚の所見や小さな形態異常などです。 健診でなくても小児をみるときは必ず頸部自分の健診スタイルを決めよう31健診で見落としてはいけないポイント4月 齢必ずチェックする項目1カ月便の色・回数、光・音への反応、斜視、頭の形(向き癖)3~4カ月頸の坐り・斜頸、追視、音の方を向く、あやし笑い、股関節6~7カ月お座り、寝がえり、おもちゃをつかむ、離乳食の開始9~10カ月後追い、つかまり立ち、お座り、喃語、バイバイに反応、手づかみ食べ1歳つたい歩き、小さい物をつまむ、言葉の理解、バイバイ、パチパチ、自分で食べる1歳6カ月ひとりで歩く、スプーンを使う、言葉を2つ以上、同年齢の児への興味常に体重・身長・頭囲、腹部や項部の腫瘤、心雑音、精巣・鼠径部各健診でのチェック事項(メルクマール)表-11

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