13 a 体 重ㅡ体重の増え方は一番の心配事 健診では、まず体重、身長、頭囲、胸囲といった身体計測を行うことが一般的です。 このとき体重の増えが少なめだとわかったら、母親はわが子にひもじい思いをさせていたのかと不安になることがあるかもしれません。また、周りの同じ月齢のお子さんより小さいと不安になるかもしれません。月齢の進んだお子さんの母親なら、食べ方が少なかったり、うんちの回数が少なかったりすると栄養失調ではないかと、心配になります。身体計測値の中でも、特に体重は身近な数値として目に見えるので、気にする母親は多いものです。ㅡ医療者も数値の評価を過剰に重視しがち 医療者にとっても同様で、体重は数値として成長を評価しやすいため、その評価を過剰に重視してしまう傾向があります。 母乳だけで健康にゆっくり体重が増えている児に、「人工乳を足しましょう」と安易に指導したり、基礎疾患を持つ児に、「母乳だから大丈夫」「両親が小柄だから大丈夫」と安易に考えたりしてはなりません。 医療者によって成長評価への知識・見解の差があったり、“大きいことはいいこと”という社会通念を当てはめて考えたりすることは避けたいものです。健康な児がどのような成長のしかたをするのか正しく理解し、母親身体発育の評価1乳児健診の組み立て発育評価とエモーショナルサポートをバランスよく2「赤ちゃんは元気だし、おしっこ、うんちもちゃんと出ていますね。おっぱいはどのようにあげていますか?」「こまめに与えるとおっぱいがたまらないと母に言われたので、なるべく時間をあけてあげるようにしています」「昼間は、1時間くらいすると泣いたりすることはありませんか?」「おしゃぶりや抱っこで落ち着かせていました」「おっぱいは粉ミルクと違ってすぐに消化されるので、赤ちゃんはすぐにお腹がすいてしまうのです。赤ちゃんが欲しそうにしていたら、泣く前におっぱいをあげてみましょう。それで体重の増え方がどうなるか、2週間後に見てみましょう。ちょっと大変かもしれませんが、2週間だけがんばってみてくださいね」シーン 1 体重増加が少なめのとき
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