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8……… 以上が周波数のちがいによる超音波画像のちがいです.新しい超音波機器が今までと全く異なるような画像を提供するようになると,見慣れない間はかえって誤診につながることもあるので注意が必要です. 続いて同じ胎児であっても検査をする時期によって所見が違ってくる,つまり,超音波検査は胎児のある一時点をみているに過ぎないので,特に機能的な異常を正しく知るには,時期を変えて超音波検査を行う必要があるということを説明します. 例えば食道閉鎖の胎児では,嚥下にともなって食道が拡張する所見が得られます.食道閉鎖はその先の食道から胃につながる部分が閉じているため,食道が袋状に拡張します.その所見をポーチサインと呼んでいます(図イ-10).このポーチサインは嚥下にともなって出現するわけですが,しばらく観察していると食道閉鎖であってもポーチサインは消失する例があります.ですから,たまたま観察時期がポーチサインの消失したときに当たると,食道閉鎖の診断はできないことになります. 同じ食道閉鎖の胎児を継続してみていると,食道は描出されずに,気管が袋状に拡張して検査時期(Chapter 1)2図イ-8 胎盤・経腹超音波[5MHz]図イ-9 胎盤・経腹超音波[9MHz]図イ-10 食道閉鎖 ポーチサイン拡張した食道図イ-11 食道閉鎖 気管の拡張気管

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