402350360
9/12

腹式単純子宮全摘術のクリニカルパスはバリアンスが少ないため,作成されている施設が多いようである.クリニカルパスには医療従事者用と患者用があり,これらを用いることにより,医療の標準化とともにチーム医療も推進され,質の高い医療が提供できると考えられる.また,クリニカルパスは,新人医療職の教育にも役立ち,患者にとっても入院中の経過や治療内容が理解しやすくなる.クリニカルパスは,現在行っている医療行為をパスの形にしたものから始まることが多く,さらに,各施設の医療内容を改善できるようなパスへと進化させていくのが理想である.合併症?「子宮全摘術の合併症の一つとして,尿管損傷があります」というのは,術前の話でよく聞くフレーズである.しかし,子宮内膜症などで癒着がないような症例では,超巨大筋腫でもない限り,尿管損傷というのはほとんどないものと思われる.合併症というのは,医師の技量によっても差が出るものである.手術の合併症の話をする場合には,その施設での尿管損傷の頻度,または,自分がこれまでに何回,尿管損傷を起こしたことがあるかを言うのが正しいのかもしれない.bクリニカルパス7第章1術前処置a 術前処置 b クリニカルパス

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る