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■左心系 僧帽弁は2つの弁尖で構成されます。より高圧系の循環を維持する左室の心筋は厚く、僧帽弁は2つの太い乳頭筋に支えられています。乳頭筋が収縮すると、僧帽弁に接着する腱索が緊張することで僧帽弁は強く閉鎖します。2つの太い乳頭筋により、僧帽弁は三尖弁に比べて逆流が生じにくいです。左室から大動脈が起始します。大動脈の特徴は、冠動脈や頭部動脈を分枝することです。左房には左右の肺から2本ずつ計4本の肺静脈が還流しています。■右心系 三尖弁は3つの弁尖で構成されます。右室は三角錐の形態です。心室の短軸断面では、三角形の右室が円形の左室に寄り添うように存在します。左室に比べ右室の心室壁は薄いです。心室壁が薄いことは、高い心筋コンプライアンス(広がりやすさ)につながります。右室は左室に比べて容量負荷に対して高い代償性があります。一方、圧負荷に対しては弱いです。三尖弁を支える乳頭筋も細いため、三尖弁の逆流が生じやすい構造です。右室から肺動脈が起始します。肺動脈の特徴は、主肺動脈から左右の肺動脈に分枝することです。右房には上半身から上大静脈が、下半身から下大静脈が還流します。僧帽弁左房三尖弁右房右室左室右房―三尖弁―右室左房―僧帽弁―左室図  -1 ⼼臓内構造14………

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