できて治療につなげられることがあると信じています。 この本では、心エコー検査からどんなことを考えながら診断や治療をつなげていくかの「考え方」を伝えられたらと思っていました。自分の経験が少ないこと、実践していないことなどは知ったふりをして書かないことにしました。内容に偏りや個人的な見解も多いと思いますので、リテラシーをもって、お読みいただければ幸いです。 本書の企画から6年間の月日が流れ、NICUの日常診療の中では執筆することが困難でした。2020年2月からの半年間、新型コロナウイルス禍でさまざまな予定がなくなった日々の中で書き上げました。一堂に会して学び合うことが難しい未来かもしれないからこそ、動画などを多くして、それぞれの場所でそれぞれのペースで学べる内容を目指しました。是非、動画など含めてご覧になってください。 心エコー検査や心機能解析の技術革新は日進月歩です。未来に向けてわかること、できることは必ず増えていきます。その科学技術に溺れず、NICUにやってくる赤ちゃんたちに適切に活用して、今よりもよりよい未来を届けられる「新生児循環管理」をこれからも皆さまと一緒に探していきたいと願っています。 これからNICUで赤ちゃんの命に向き合う新生児科医、小児循環器医、小児科医の診療や研修に少しでもお役に立てたら本望です。 2020年9月 豊島勝昭………iii
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