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21第1章胎児の発育と評価…  1胎児の発育と評価準値」が広く用いられているが6)、これは経腟分娩で出生した児のみを対象としていること、何らかの異常により早産で出生した新生児のデータが含まれている可能性があることから、正常胎児発育を評価するという意味ではふさわしくないと考えられている5)。 出生児の発育評価に関しては、出生体重が基準値の10〜90パーセンタイル(±1.28SD)のものをappropriate for dates(AFD)児、出生体重が10パーセンタイル(−1.28SD)未満の場合にlight for dates(LFD児)、90パーセンタイル(+1.28SD)以上をheavy for dates(HFD)児、出生体重・身長ともに10パーセンタイル(−1.28SD)未満の児をsmall for dates(SFD)児と定義している。胎児発育不全(FGR)は子宮内環境を反映した胎児状態を表現した概念であり、出生時の評価としてはLFD児と呼ばれる。またFGRという概念は、LFD児出生を予防する目的で、妊図1-1妊娠時期別胎児発育と発育不全の病型分類[日本産科婦人科学会.産婦人科研修の必修知識2016-2018.2016,184より改変転載]妊娠初期発生分化期妊娠中期発育期妊娠後期成熟期分類均衡型(symmetrical)FGRfetal hypoplasia型combined型不均衡型(asymmetrical)FGRfetal malnutrition型頻度20〜30%約10%約70%原因胎児の細胞分裂・増殖過程の障害胎児染色体異常胎内感染、薬物早発型妊娠高血圧症候群胎盤・臍帯因子遅発型妊娠高血圧症候群胎児機能不全01632細胞増殖増殖と肥大が混在細胞肥大妊娠週数図1-2妊娠初期の超音波像妊娠6週。子宮腔内に胎囊を認め、その中に卵黄囊に接した胎芽を認める。経腟超音波プローベ卵黄囊胎芽胎囊

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