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 生殖医療においても、不妊・不育の原因の中に染色体異常や遺伝子変異が関与していることが知られています。また、罹患児の出生や流産を回避するために、着床前診断が行われることもあります。 女性医学の領域においても、思春期早発や早発卵巣不全と遺伝子変異との関連も指摘されています。 その一方、これらの診療を応用することは、代理母や配偶子提供など親子関係を複雑にします。そして今後は、ゲノム編集技術による生殖細胞系列の改変など、人類の未来も変えていく可能性も内在していることを心に留めておく必要もあるでしょう。 いずれにしても、今後、遺伝医療を基礎からしっかり理解しておくことは重要です。本書では産婦人科に関係する遺伝医療についてトピックごとに概説していますので、基礎から学びたい、部分的に学びたい、明日患者さんが来るから知識を頭に入れておきたいなど、さまざまな目的にご利用いただければと思います。 なお、臨床遺伝専門医の先生方、認定遺伝カウンセラーの先生方など、すでにご専門の皆さまには、本書の内容は初歩的で若干物足りないと思います。さらに深く学びたい場合にはもっとエライ先生方が執筆されている専門書をご覧になっていただいて、本書は周囲の初学の方々にお薦めいただければ幸いです。また、何かお気付きの点がございましたら、著者にメールでもFacebookのメッセンジャーでもLINEでも何でもよいので、こっそりお知らせください。 最後になりますが、遺伝子解析技術についてご助言いただいた浜松医科大学医化学講座教授・才津浩智先生、遺伝カウンセリングの資料をご提供くださった京都大学医学部附属病院遺伝子診療部認定遺伝カウンセラー・村上裕美先生に御礼を申し上げます。 2017年11月三宅秀彦 山田重人

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