広汎子宮全摘出術では直腸を牽引することが多く，便が停滞していると術中に便を噴出させることにもなりかねない．そのような状況を避けるために，術前にニフレック®などの経口腸管洗浄液により腸管内に便の停滞がないようにしておく．また，広汎子宮全摘出術を予定して開腹した場合，腫瘍がダグラス窩腹膜から直腸に浸潤していることがまれにある．そのような場合にも，術前にコロンプレパレーションを行っておけば直腸合併切除がより安全に行える．ただし，イレウス症状がある患者にニフレック®は禁忌である．広汎子宮全摘出術の際に使用する手術器具は施設により多少の差があり，術者の好みによっても使用する手術器具が異なる．近年，さまざまなパワーデバイスが開発され，止血能力の高い，非常に便利な器具も出てきている．これらのパワーデバイスは，術者の好みで用いればよいが，挟鉗した周辺組織を高温にしてしまうものが多く，熱による神経損傷の可能性もあり注意が必要である．b大見出しa術前処置b大見出しb手術器具8
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