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序 文本書『広汎子宮全摘出術』は,『子宮体癌・卵巣癌におけるStaging Laparotomy』『広汎子宮全摘術につながる腹式単純子宮全摘術』に続く第3弾である.本書は,広汎子宮全摘出術の技術面にこだわり執筆した術書である.本文では腫瘍径6cmの子宮頸部腺癌に対し,“神経温存・広汎子宮全摘出術”の術中写真を掲載し,手術の手順通りに詳細な解説を加えた.例えば,「膀胱子宮靱帯前層を切離する場合にはどのように切離するのか」「ケリー鉗子をどう使うのか」「パワーデバイスの使用をどうするのか」,また,「予期せぬ出血を来した時のトラブルシューティングはどうするのか」まで踏み込んで解説している.付属のDVDには,広汎子宮全摘出術のビデオ映像だけでなく,これまで撮りためた手術記録の中から,実際に出血などのトラブルに対処している場面も収録しているので是非ご覧いただきたい.手術は「流れ」が大切であり,私は常に流れるような手術を目指してきた.流れるような手術を行うには,トラブルシューティングが最も大切である.手術時にトラブルが発生しても滞まることなく手術を進め,流れに乗せていく.本書を通して,そのような手術を学んでいただきたい.本書の中で記載した「臨床系統骨盤解剖」は,タイのバンコクで行われた「Meticulous Decision Making in Laparoscopic Gynecologic Oncologic Surgery」において,新鮮凍結遺体を用いて,倉敷成人病センター・院長の安藤正明先生と羽田智則先生に腹腔鏡による臨床解剖を行っていただき,撮影・編集したものである.通常の手術操作では露出させないような骨盤の奥深い領域まで見ることができ,骨盤底からの出血の対処の際に,術野の奥の神経や血管の走行を想像することができ,大変参考になることと思う.お二人の先生に心より感謝を申し上げる.本書に付属したDVD映像は,三重大学医学部附属病院内で撮影したものである.撮影に当たって,ご協力いただいた三重大学臨床麻酔部の宮部雅幸教授とその医局員の先生方ならびに中央手術部のスタッフに厚く御礼を申し上げたい.2017年3月 田畑 務1

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