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111合併症妊娠 02●プロラクチノーマ合併妊娠はじめに プロラクチノーマは下垂体腺腫の約40%を占め、腫瘍径が10mm以上のmacroadenomaと10mm未満のmicroadenomaとに分類されます。高プロラクチン(PRL)血症から排卵障害を来し不妊が多いと考えられますが、ドパミン作動薬による薬物療法(カベルゴリンやブロモクリプチン)が奏功することが多く、プロラクチノーマ合併妊娠として管理されることもまれではありません。以下に症例を2例呈示し、プロラクチノーマ合併妊娠を概説します。 40歳の初産婦です。不妊症の精査で高PRL血症と診断され、頭部CTを施行しましたが、下垂体腺腫は指摘されませんでした。カベルゴリンを内服しつつ体外受精を行い、融解胚移植で二絨毛膜三羊膜品胎の妊娠が成立し、薬物療法は中止しました。胚移植の1カ月ほど前より視野異常を自覚し、妊娠7週で眼科を受診し、左眼耳側半盲を認めました(図2)。プロラクチノーマが疑われましたが、妊娠初期のためMRIは施行せず、定期的な視野検査で経過観察し、症状は改善傾向を認めました。視野障害以外の症状は認めませんでした。妊娠15週に症例1:macroadenoma合併妊娠図1 症例1:macroadenoma妊娠15週に撮影されたMRIです。下垂体内に2cmの腫瘤があり()、内部には鏡面形成()を認めます。いずれも低信号を呈するヘモジデリンの沈着が疑われ、3〜6カ月ほど前に下垂体卒中を起こしていたものと判断されました。プロラクチノーマ合併妊娠T1強調矢状断像T2強調矢状断像02

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