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2「なくこ」と「わしき」で行う病歴聴取 「どういうふうに家族からお話を聴いたらいいのですか?」という質問をよくいただきます。患者は子どもで、患者自身ではない保護者から、短時間で的確に病歴を聴取するのに難しさを感じるのだと思います。そして、家族は子どもの病気で焦ったりイライラしたりしていますので、コミュニケーションでミスが生じやすいという側面もあります。私は以下の2点を大事にしています・「泣く子」には「なくこ」で対応、病歴は「わしき」が基本・すべての診察機会は「子育て支援」! この項では、子どもにやさしい病歴聴取の「やりかた」について述べます。といっても、私もまだまだ未熟です。「いつかできるようになりたいな」という目標も含めて、皆さんと共有したいと思います。子どもの発達段階から考える 普段、子どもを見慣れていない医療者が困ることは、「子どもの年齢による対応の違い」かもしれません。子どもは常に成長し続けます。子どもが診察に協力できるようになるのは2〜3歳からであり、痛みを訴えられるようになる時期と一致します。おおまかには表1-1を参照してください。ただし、発達には個人差が大きいので、常に臨機応変にします。 診察しながらも待合室の声を聞けるようになりましょう。待合室から大きな泣き声が聞こえてきたら、「お、ちょっと敏感な子が来たな」と心の準備をしておきます。そういうときには、自分の心のペースを落として、いきなり距離を(言語的にも非言語的にも)詰めないように心病歴聴取のコツ1

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