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4病歴聴取の起承転結:それぞれで使えるフレーズ 病歴聴取を起承転結に分けて考えていきましょう。起承転結を一気に使うこともできますし、診療のセッティングに合わせて、一部だけを使うこともできます。●non-verbalで勝負! 言うまでもなく、挨拶は大事です。しかし、挨拶より大事なことは、「あなたがどんな表情や姿勢をしているか」です。子どもは年齢にかかわらず、大人の言語による(verbal)メッセージより、大人の非言語的(non-verbal)メッセージに敏感です。笑顔、体を患者さんに向ける、少し前かがみになる、可能なら立って出迎える、泣きそうな子は先手を打っておもちゃであやすなどの工夫ができます。子どもに泣かれない先輩小児科医師を見てください。子どもに泣かれているうちは、小児科医としてはまだまだ二流なのです(私はまだ二流です)。●泣く子には「なくこ」で対応 「泣いてしまって病歴聴取にもならない……」というのも、よくきかれる悩みです。どうやっても泣く子がいます。そんなとき皆さんは、自分を責めたり、子どもを責めたりしていませんか? 忙しかったら腹が立つこともありますよね。それはそれでよいのです。感情は人間の生理反応ですから、ある方が自然です。でも、視線をちょっと上げてみてください。泣いている子どものお母さん/お父さんがいます。一番自分を責めているのはその人かもしれません。泣いている子どもを連れてきた家族に「すみません……」と謝られたことはありませんか? 私は泣いている子どもを見たときに、「泣くと良いこと(診察しやすくなること)」を家族に伝えています。頭文字をとって「なくこ」です。家族が安心して医師と仲良く話をしていると、子どもが落ち着いていくこともあります。表1-2を参照してください。 子どもが椅子に座って落ち着いたら、病歴聴取の開始です。ここで2つのパターンを私は使い分けています。1つは「open-ended questionのみ」、もう1つは「closed-ended question+doorknob questionのセット」です。起:診察室に入ってきてすぐの一言「こんにちは!(^^)」「こんばんは!(^^)」承:オープニングで使うフレーズ「医師の○○です。今日はどうしましたか?」

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