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I性周期とその調節機能〜妊娠の成立と維持01総論生殖と妊娠初期15体の発現およびアロマターゼ活性を促進する4)(図3)5)。 また、近年生殖医療の分野において、卵巣予備能評価法として定着した感のある抗ミュラー管ホルモン(anti-Müllerian hormone;AMH)も卵胞の発育に大きく関与している。AMHは顆粒膜細胞から分泌されるホルモンであり、一次卵胞以降から分泌が始まり、卵胞径が2〜6mmに達するまで盛んに分泌される。そのため、血中のAMH濃度はバックグラウンドにある原始卵胞のプールのサイズと相関を示し、月経周期によっても値が変化しないことから、成人女性における卵巣予備能を推測する指標として高い信頼性を得ている6)。卵胞発育においては、発育途中の卵胞からAMHが分泌されることにより、パラクラインおよびオートクラインの機構によって原始卵胞のリクルートメント(発育の開始)を抑制するだけでなく、8mm以上の大型の胞状卵胞においてFSHに対する感受性を低下させ、単一卵胞発育に寄与する3,7)(図4)。2)排卵期 顆粒膜細胞から分泌されるE(特にエストラジオール)が200pg/mL以上となり、それが原始卵胞一次卵胞二次卵胞胞状卵胞成熟卵胞発育卵胞数が減少し、単一卵胞発育に寄与FSHの感受性低下抗ミュラー管ホルモン(AMH)リクルートメントの抑制抗ミュラー管ホルモンの作用図4(文献3より作成)エストロゲンエストロゲンアクチビンインヒビン卵巣視床下部下垂体FSH/LHGnRHaフィードバック機構を介したホルモン調節図3(文献5より引用改変)

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