3編集にあたって 産婦人科の分野は、ますます複雑多岐にわたりますが、常にup dateされた知識で臨まなければなりません。そのため最近は、限られた時間の中で効率よく情報を得ることのできる情報源としてガイドラインやインターネットなどが好まれるようです。 しかしながら、医学的根拠がサマライズされる過程においては、相反する考え方が必ず存在します。結論だけに頼ってしまうと一方的な物事の見方となってしまい、正しい臨床的思考ができなくなってしまう恐れがあります。ことさら若手の医師には、文献検索までしなくともさまざまな研究結果を交えて記述される、いわゆる「成書」と呼ばれる教科書の購読が望まれるところであります。しかし、その需要も供給も少なくなっている現実があります。 そこで現在の産科学において、最新のさまざまなエビデンスをきちんとディスカッションした「成書」でありながら、実臨床に直結するようなバイブルを作ることとしました。本書は、「産婦人科業界みんなで作った臨床に使える教科書」です。それぞれご専門の先生方に最新の知見を解説していただき、編纂しました。 産科学の基礎から妊娠・分娩、新生児管理の実践知識まで、オールカラーの図表を多用して分かりやすく解説していますので、先生方の日常臨床や研究の基礎としてお役立ていただければ、うれしく思います。聖マリアンナ医科大学産婦人科学 准教授 長谷川 潤一
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