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 日本における新型コロナウイルス感染者の動向を見ると、東京都は8月9日、新型コロナウイルスの感染者が新たに331人確認されたと発表しました。1日当たりの新規感染者は4日連続で300人を超えており、都によると、20〜30代が212人と6割超を占め、重症者は23人であると報告しました。全国の感染者数を見ると、8月9日では、100名以上は東京以外では大阪、愛知、沖縄、福岡で目立ち、総数では1,443名にもなります。 この感染症は、2020年2月頃から国内で問題になりだしました。そして、3月からこの8月までの感染者数の経過を、改めて思い出してみましょう。 わが国では、3月以降次第に感染者数が増加し始め、4月の感染者数が368名となった段階で、医療供給体制がひっ迫している地方の出現を考慮して、国は4月7日に7都道府県に、そして、4月17日には特別措置法に基づく緊急事態宣言を全ての都道府県に発令して、不要不急の帰省や旅行など都道府県をまたいで人が移動することを、蔓延防止の観点から絶対に避けるように求めました。その結果、住民の外出は控えられ、商店、レストラン、観光業界などは経済的に大打撃を受けたのですが、国民の行動規制の結果、4月11日の789名をピークに、その後、次第に感染者数が減少し、5月4日には100名となり、37都道府県で緊急事態宣言が解除されました。そして5月25日には感染者数が25名となり、全国の緊急事態宣言が解除されたのです。 その後、このまま感染は終息することが期待されたのですが、実際は、6月26日には再び106名の感染者数を記録し、7月に入り、日を追うごとに感染者数は増加し、7月31日には、1,579名となっています。8月に入っても減少する気配は見えません。現在の感染者数は、4月7日に緊急事態宣言を発した時の368名の5倍の数となっているのです。当然、感染症の第二波が襲来していると宣言すべきデータなのですが、実際、国は、これ以上、住民の経済活動を抑えることはできず、この膨大な感染者数の毎日であっても、自宅待機要請、お盆はできるだけ移動しないように、繁華街では就業時間を短縮するようにとの提言以上には、何もできないのが現状です。7月、8月の第二波の特徴として、20代や30代が65%であり、感染のルートがわからないケースが多いと言われています。 この度上梓される『産科の感染防御ガイド:新型コロナウイルス感染症に備え推薦のことば2

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