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51章◉総  論むし,ノイズが多ければさらに増やす必要がある.ただし,実際にはノイズもまったくランダムに入るわけではないので,平均加算によるS/N(Signal/Noise)比の改善には限界がある.背景波にノイズが多量に混入している状態でいくら加算回数を増やしても,時間がかかるばかりで評価に値する波形にはならない.基本はいかにノイズを減らせるかである. なお,MEP(motor evoked potential,運動誘発電位)を含めた誘発筋電図は反応が大きいため,基本的に加算は必要としない.3差動増幅器(図3) 差動増幅器とは,探査電極(−)とボディアース(E)間で記録される電位と,基準電極(+)とボディアース(E)間で記録される電位との差を増幅して出力する装置のことである.生体電位測定装置に差動増幅器を用いる理由は,被験者の体に誘導されて意!電極ボックスの入力端子表示は,古くはG1とG2が多く用いられていたが,最近は(−)と(+)で表示されることが多い.一般的に探査電極を(−)端子に,基準電極を(+)端子に接続する.ボディアース端子の表記は,メーカーによってEやN,Zなどが使われていて統一されていない.図3 差動増幅器のしくみ.探査電極とボディアース間で記録される電位(電位1)と,基準電極とボディアース間で記録される電位(電位2)の差が増幅されて出力される.EE(ー)(+)電位1と電位2の差を増幅電位1電位2出カ探査電極基準電極ボディアース刺激刺激平均加算平均加算図2刺激ごとの誘発波形とそれらを平均加算した波形

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