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序  文明日からでもすぐに実施でき,かつ信頼性の高い術中モニタリングを● ● ● 月日が経つのは早いもので,初版『「超」入門 脳神経外科術中モニタリング』を上梓してからすでに8年が過ぎようとしております.初版は,2010年から2011年にかけて『脳神経外科速報』に12回の連載で掲載された『はじめてのモニタリング』シリーズに筆を加え単行本化したものです.児玉南海雄先生(福島県立医科大学名誉教授)を中心に,福島県立医科大学脳神経外科学講座の仲間が長年にわたり蓄積した脳神経外科術中モニタリングの知見を集大成したものでした.その後,脳神経外科術中モニタリングは国内ばかりでなく世界中に普及しつつあり,運動誘発電位だけでも経頭蓋刺激,皮質下刺激,下肢記録,脳血管内治療時のモニタリングと発展を遂げてきております. われわれの当初の合言葉は「これから術中モニタリングを始めようとする方が,明日からでもすぐに実施でき,しかも信頼性の高い方法を」というものでした.今回の改訂でもその思いに変わりはありませんが,さらに新たなモニタリングの試みにも紙幅を割いています.前回の記載内容も見直して,可能な限りup-dateなものとしたつもりです.脳血管内治療,神経内視鏡手術,ハイブリッド手術と,脳神経外科手術は日々進歩しています.これまでであれば手術が躊躇された領域にも光が射し込んでいます.素晴らしいことであると同時に,新たな術中モニタリングの開発が求められる状況とも言えます.新たなモニタリングの開発により,現時点では評価し得ない脳機能が術中に評価可能となることを願わずにいられません.多くの患者さんが術後の合併症なしに退院されることがわれわれの最大の目標であり,本書がその一助になれば,これに優る喜びはありません. 本書の出版にあたっては,福島県立医科大学脳神経外科同門の諸先生のみならず,学外の施設の諸先生からも多くの教えを頂戴しました.心より感謝申し上げます.術中モニタリングも他の医療技術と同様に日々進歩しています.本書では,現時点での標準的な手法を記載したつもりですが,不足の点については厳しいご意見をお願いいたします. 最後に,これまでお世話になった多くの方に感謝申し上げますとともに,本書の発刊まで真摯な努力を重ねられたメディカ出版編集局の岡哲也氏およびスタッフの方々に深甚なる謝意を表します. 2019年4月佐々木達也鈴木 恭一板倉  毅IV

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