脳脊髄血管撮影とは1章 脳脊髄血管撮影の基礎知識 脳血管撮影(cerebral angiogra-phy)は,頭蓋内へ向かう血管にカテーテル(図1)を挿入し,造影剤を注入しながら,連続的にX線撮影を行うことで血管の内腔を撮影し,その詳細が観察できる検査である.現在はdigital subtraction angiography(DSA,図2)が主流となっており,骨条件を差し引く(subtract)ことによって,血管のみをきれいに描出することが可能となっている(図3).さらに,最近では三次元撮影,cone-beam撮影など新しい撮影法の出現によって,診断・治療の手段として脳血管撮影は再評価されつつある. 脳血管撮影は侵襲的検査であり合併症の危険性があるが,computed tomographic angiography(CTA),magnetic resonance angiogra-phy(MRA)や超音波検査などの非侵襲的な検査の診断能が向上した現在でも,空間的・時間的分解能に優れており,その有用性は大きい.特に,血液の動的な流れを観察する際には欠か1A脳血管撮影図1●脳血管撮影用カテーテル(岡山大学)12
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