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改訂2版 序文 本書は,2015年秋のJSNET(日本脳神経血管内治療学会)学術総会@岡山の開催に合わせて岡山大学脳神経外科血管内治療チームで記したものであるが,約5年の時を経て,第2版の依頼をいただいた.自分たちが欲する格好で,プラクティカルで脳脊髄血管撮影の教科書となるようにとの想いで出版に至ったが,手に取っていただいた多くの皆様のお陰で,このような機会をいただいたと考えている.表紙のカラーは,編集担当者の粋な計らいで初版は我が愛するファジアーノ岡山のワインレッドにしたが,今回は日本代表のサムライブルーからいただいた. この5年間で,脳神経血管内治療を取り巻く環境は激変した.フローダイバーターステントに代表される新型デバイスが次々と導入され,より多くの患者さんに対してより安全な治療が行われるようになった.しかし,最も大きなトピックスは,急性期脳梗塞に対する血栓回収療法のエビデンスが構築され,瞬く間に脳梗塞急性期治療の切り札として広まったことであろう.言うまでもなく,血栓回収療法を行うためには,脳血管撮影が安全かつスピーディーにできることが基本となる.検査としての脳血管撮影が減少している一方で,治療としての血栓回収療法が日本全国で“行うべき”治療として急増している.脳神経外科をはじめ脳神経内科,脳卒中科,放射線科,救急科等々に属する多くの若い先生が情熱を持って,この新しい治療に取り組んでいる中,このような先生方の一助になることを念頭に,岡大チームが一丸となって本書を改訂した. 最後になるが,岡山大学脳神経外科初代教授で私の恩師である西本 詮先生(写真左)が,昨夏に94歳で旅立たれた.私のような不肖の弟子が,おこがましいことは重々承知であるが,本書を西本先生の墓前に捧げたいと思います.令和3年2月岡山大学大学院脳神経外科准教授杉生 憲志2010年秋の日本脳神経外科学会総会(福岡)にて5

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