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 近年,Notchシグナルの心血管系における転写調節因子Hrt1/Hrt2/Hrt3(Hey1/Hey2/HeyLとも呼ばれる)の生理的意義が解明されるようになり,Hrt1/Hey1ノックアウトマウスが大動脈弓離断症等のヒト大血管奇形と酷似する異常を示すことが報告された.また,Hrt1/Hey1ノックアウト胎仔は第4咽頭弓動脈の欠損を示し,内皮・平滑筋・神経堤細胞の協調による大血管形成の異常が生じていることが示唆され,この領域の遺伝子レベルでの解明が進みつつある7).大動脈転位にかかわる最近の研究25Ⅰ解剖学られると報告されているが,われわれ脳血管内治療医が日々の臨床でこのvariationに遭遇するチャンスは意外に少ない.低侵襲医療が求められる現在,脳血管撮影も上腕動脈経由で行われることが多くなり,安全な脳血管撮影および脳血管内治療を遂行するためにもこうしたvaria-tionについての知識は必須と言える.tery)が遺残してそのまま右上肢領域と右椎骨動脈に血流を送る動脈として機能している状態である(Fig. 5).まとめ Vascular ringではARSAが最も高頻度に認め 文 献1)KommerellB.FortschrGebRoentgenstrahlen54:590-5,19362)WhitmanG,etal.JThoracCardiovascSurg83:311-5,19823)KlinkhamerAC,etal.AmJRoentgenolRadiumTherNuclMed97:438-46,19664)DonnellyLF,etal.AJRAmJRoentgenol178:1269-74,20025)LaytonKF,etal.JVascIntervRadiol17:1065-7,20066)KeerthanaN,etal.JNeuroInterventSurg5:e34,20137)FujitaM,etal.MechDev139:65-73,2016

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