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Preface6 脳血管内治療は,約40年前,使う道具もほとんどが手作りであった時代から始まり,瞬く間に脳血管内治療に関する大量かつ精細,精密な知識,技術,機器,設備が備わり,「脳血管内治療学」という学問体系が提唱されるほどに発展してきた.そのスピードならびに全世界的な広がりに,今さらながら感心している.またその間に,海外ではフランスの片田舎で開かれていたワーキンググループを中心にして作られたWFITNという国際学会が大きく発展してきたこと,また本邦では日本脳神経血管内治療学会が会員数3,584名(2018年現在)に達するほど大きくなり,またその学会に,素晴らしい専門医制度が発足,発展してきたことも,この分野が脳血管障害の医療にとって,いかに重要であるかを示している. このたび本書が出版されるにあたって,日本全国の脳神経血管内治療に携わる高名な先生方,ほぼ全員の分担執筆があり,また執筆された内容に,血管内治療に関連する,解剖,病態,診断法,治療法,治療技術,機器の開発など,脳血管内治療学全体が含まれたことは,個人的にもたいへんうれしいことである. 新進の若手の先生には学問体系の学習,ならびに専門医に求められる知識の獲得に,またベテランの先生には,現時点での脳血管内治療学の概観,知識の整理にたいへん役に立つものと考えている. 脳血管内治療学は今後も発展していく分野であり,多くの問題点の提起,研究,創造が行われ,さらに高い学問体系となっていくものと考えている.今後の発展についても,この本がその原動力の一つになることを願っている.監修のことば2018年7月康生会武田病院 理事・脳卒中センター長 三重大学名誉教授 滝 和郎

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