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てんかん界隈において中里先生は「超」有名人でした)と勇んで出席した私は、想像していたイメージと大きくかけ離れた中里先生に衝撃を受けたのです。 もちろん、医師を対象とした勉強会ですのでアカデミックな話をしていた(はず)なのですが、思い出されるのは、笑顔で楽しそうに話をしている中里先生ばかり。てんかんは脳神経外科のなかでも診断や治療が難しい、わかりづらいというイメージから敬遠されることも珍しくないのですが、「てんかん診療っておもしろそう!」と思わせる中里先生の講義にびっくりしたことを今でも覚えています。大学時代の体験や中里先生の影響も受け、その年に私は米国の病院でてんかん患者さんを対象とした脳波の研究を開始することとなります。 それから紆余曲折を経て、現在私は株式会社メドレーという医療ITベンチャーの共同代表を努めており、我々が提供するオンライン診療システム「CLINICS(クリニクス)」を中里先生にご利用いただいています。 2017年、まだまだ日本で多くの先生が懐疑的であったオンライン診療でしたが、「てんかん診療には絶対に役立つはずだ!」と信じ、他の先生を通じて中里先生をご紹介いただき東北大学にお話しにいく機会を頂戴しました。すると開口一番、「こういうシステムを待っていたんだよ!」と満面の笑みで出迎えていただき、2010年に大学病院としてはじめて「てんかん科」を立ち上げたこと、その直後の東日本大震災の後からずっと気仙沼の病院とビデオ通話をつないでオンライン診療を実施してきたことを伺いました。そして、

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