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1総 論15 脳SPECTパーフェクトガイドが欠落していたりするような状態では種々のアーチファクトが生じる.これに対し,最近主流となったOS-EM(ordered subsets-expectation maximization)を代表とする逐次近似的方法ではアーチファクトの発生を少なく抑えることができる.③定量性劣化の補正法 SPECTでのもう一つの問題点として,定量性がある.SPECTにおける定量性の劣化は,被検者側と検出器系に起因するものに分けられる.被検者側の問題点としては,ガンマ線の体内での減弱と散乱がある.検出器側としては,コリメータの開口によるボケ,およびコリメータを含めた検出器系で発生する特性X線などがある. ガンマ線の体内での減弱に対する補正法は,体内のガンマ線の減弱係数を均一と仮定して補正するものと,あらかじめその分布を測定して補正するものとに大別される.前者で通常用いられている方法としてはChangやSorensonによって開発されたものがある.後者としては,PETにおけるがごとく外部線源を用いてトランスミッションCTを行い,この測定された減弱分布で補正する方法がある. 現在では,SPECT装置にX線CT装置を組み合わせて一体化したSPECT/CT装置が市販され(図3),外部線源の代わりにX線CTのデータが用いられるようになった.このSPECT/CT装置では,減弱補正のみならずSPECTとCT画像を融合させることも容易である(図4).融合画像を用図3 SPECT/CT装置対向型ガンマカメラ(前方部)とX線CT装置(後方部)が組み合わされている.

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