402380630
5/14

5 脳SPECTパーフェクトガイド序文 ―精神科医の立場から 脳血流SPECTを通して,私は自分の人生に影響を与えてくださったさまざまな方々に出会ってきました. 2001年2月,初期研修医だった私は,研修で放射線科を回っていました.「脳血流SPECTに関心がある」と伝えたところ,週に数日は脳血流SPECTの読影をするように配慮いただき,当時筑波大学にいらっしゃった武田徹先生(現・北里大学)に指導を賜る機会を得ました.武田先生は読影に関するさまざまなコツを教えてくださいました.その後,2002年には神経内科で研修をする機会を得ました.玉岡晃教授の神経診察を学ばせていただきながら,神経症状がどう脳血流SPECTにあらわされるかも学び,脳血流SPECTの持つ情報量に圧倒されていました.そうしたところ,朝田隆教授から,「国立精神・神経センターで脳画像について学んで来なさい」と指導を受け,2003年6月から2004年3月にかけて,国立精神・神経センターで松田博史先生,大西隆先生という,脳画像解析における国内のトップランナーに直接ご指導を賜る貴重な経験をしました.自分が読影したSPECTレポートを直接指導していただいた結果,脳血流SPECTに対してさらに愛着が湧くようになりました.同時に,「脳血流SPECTに特化した教科書があったらもっとみんなに役立つのにな」と考えていました. そのようななか,2017年に柴田靖先生から,上司の新井哲明教授に脳血流SPECTの教科書の話があり,新井先生から「貴重な経験になるからぜひ編集に加わってみたらどうですか」とのお言葉をいただき,この本にかかわることとなりました.この場をお借りして,改めて上記の各先生に感謝の気持ちを伝えたいと思います. 本書の特徴は,臨床の第一線で活躍している神経内科医,脳神経外科医,精神科医,放射線科医,放射線科技師がそれぞれの立場から「臨床に役立つ」内容をまとめてくれていることです.脳血流SPECTは患者さんの脳についてさまざまな情報を教えてくれます.本書が,皆さんがかかわっている患者さんの生活を少しでもよくすることの一助になることを願っています.2018年1月筑波大学医学医療系精神医学 根本 清貴

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る