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15Heart Center Brandenburg ドイツ1に外科大動脈弁置換術を上回っていますし(Eggebrecht et al. EuroInter-vention. 2016, 11(9), 1029-33.)、MitraClipについても年間約5,000件が施行され、これはヨーロッパ全体の症例数の約7割を占めています。 一方で、日本でも大きな話題になっている移民・難民問題やVolks Wagen社の排出ガス規制不正問題など、現在のドイツでは暗い話題が多いのも現実です。移民・難民問題への対応では、10年間にわたり国民から圧倒的に支持されていたメルケル政権への批判が強まりました。このような状況がドイツ経済にも深刻な影響を与えるのではと懸念する声もありますが、現実にはドイツの貿易黒字が2015年に過去最高を更新するなど、今のところその勢いは留まるところを知りません。なぜ留学したのか? なぜドイツだったのか? 「自分の専門分野である、と自信をもって言える領域をもち、患者さんの治療に貢献できる医師になること」は、私の医師としての大きな目標です。そして、その目標のためにどうしても必要だったのが今回の留学でした。 卒業してからの10年間、多くの方にご支援をいただき、臨床、研究ともにバランスよく勉強することができました。そして、その10年の経験のなかで、「心不全」と「カテーテル治療」の2つが、私にとってのキーワードになっていました。虚血性心疾患に関しては、先人たちの努力によって、低侵襲のカテーテル治療で多くの患者さんを救うことができるようになりました。一方で、心不全患者さんの治療には、まだまだ改善の余地が多く残されていると感じていました。そして、漠然とではありますが、カテーテル治療の技術を、心不全患者さんの治療にも役立てることはできないかと考えるようになりました。 そんな折に、今回の留学のメインテーマとなるMitraClipが重症心不全に合併した機能性僧帽弁閉鎖不全症に対して有効であるという論文に出会い、たいへん興味をもちました。そして、これまで虚血性心疾患が治療対象であっなぜ留学したのか? なぜドイツだったのか?なぜ留学したのか? なぜドイツだったのか?

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